†「彼女は組織…いや、人類に取って大切なサンプルだ」
シリーズ終盤恒例のネタばらし回でした。
拉致された香鈴を追いかけて、美風と静羽は病院に天体危機管理機構つくば研究所へと、事件の核心に向かって突き進む。そこで二人が目にしたのは脳と脊髄だけになった香鈴ちんの変わり果てた姿…と思ったら、これは単なる過去の標本サンプルみたいで一安心。
その後つくばの山中でカーチェイスを繰り広げながら、今回の隕石騒動の謎、香鈴の秘密を黒服の男に聞かされると言う展開。
犯罪行為に手を染めてまで研究所に潜入するのはちと強引ですが、この手の謎解きはアクションを絡めて見せてくれないと面白くないので話的には正解。しかし盛り上がり的にはどうも物足りないなぁ。
今回は四人の中で影の薄かった資格マニアの静羽が大活躍。「特殊機密コード解除資格」って一体…。あと謎だったのが、警備員に見せていた金バッチ。下地島には偉いばーさんが控えていたり、彩雲の父親が政治家だったりととそれなりの伏線になりそうなものはあるので、そっち方面かな?
†「ハートはいつも現役です」
主役四人よりもこの人の方が気に入っていたのでパイロットへの復帰は大歓迎。しかし濃緑のパイロットスーツはどうも色気に欠けるし、彼女の過去をフラッシュバックさせて見せてくれたのも、迎撃時の緊張感にはつながらなかったような気がします。
あとはテイトクの行動がますます猫離れしてきているんだけど、宇宙猫(?)への伏線か何かなんだろうか? 残りは、二話。
脚本: もりたけし, 絵コンテ: 大久保富彦, 演出: 佐藤昌文
久しぶりに見たら実に面白い。テンポのいい繰り返しギャグにニヤリとさせる小ネタなど、さぞや名のあるスタッフが…と思っていたらナベシンが絵コンテ&演出を担当してました。
キャラ的に光っていたのは国府田豪。おなじみのカッコ付けのヘタレライバルキャラなんだけど、浮き世離れした独特のセンスとの相乗効果でいい味を出ていたなぁ。
脚本: むとうやすゆき, 絵コンテ・演出: ワタナベシンイチ
†リドルものって言っても、さすがにこれは…
シリアスな展開になるとダメダメになるのは相変わらず。ブツブツと雑学的な知識を披露する台詞が延々と続く展開にはうんざりです。
まぁ今回は久々に「論理の旋律は必ず真実を奏でる」の名セリフ?を聞けたのがせめてもの収穫でした。
心のオアシスだったひよひよ劇場は今回が最終回。鬱屈とした本編とは対称的にひよひよの百面相がいい感じでした。中盤以降はややマンネリ化してましたけど、本編よりも面白かったと言うのは事実だと思う。(^^;
脚本: 高橋ナツコ, 原案協力: 渡邊大輔, 絵コンテ: 大河原晴男, 演出: 新田義方
架空世界を緻密な絵と落ち着いた音楽で表現するなど、作品世界の作り込みに関してはひかれるものを感じつつも、ストーリーに関しては引きの弱さと展開の遅さが気になるところかな…。
†「おなかいっぱい。ねっ」
今回は奪還部隊に加えて、刑事、研究者、ハンターと、狼を追いかけている脇役たちを丁寧に描き世界を広げてました。
気に入っているのは何と言ってもブルーで、目の輝きを中心に犬の見せる表情は実にいいなぁ。動物アニメ路線を激しく希望。それにしても落下による怪我が直って復帰したと思ったら、今度は銃床で殴られたり、だまりの中に倒れたりと、相変わらずブルーは不幸…。
あと印象的だったのが骨董屋の痰壷ジジイ。どうでも良さそうなオヤジとか爺キャラまでしっかりと描写してしまうあたりがこの作品のカラーなのかな。
脚本: 佐藤大, 絵コンテ: 坂田純一, 演出: 神戸洋行
†確保できました。
大いなる兄弟喧嘩の二幕目。クーデターの黒幕だった兄者は、ノリエガを動かして独裁官(ディクタトール)に指名され事態を収拾させる。そして目指すは執政官選挙による合法的な政権奪取。ダイスケと愉快な仲間たちは兄者の野望を阻止する事が出来るか?
†がーん、この作品がこんなに面白かったなんて…
足早に展開されたクーデターは必要十分な描写。なんで今の時代にローマ・システムなんだと言う疑問はありますが、それなりに説得力のあるものでした。そういえばロシアのプーチン首相も KGB 出身なんだよなぁ。
本編の方は、暴走する兄者に立ち向かうため、愛する人に別れを告げて戦いの場に出向くダイスケとその一向の描写が中心。夕焼けに照らされて、エジムンドがモニカに、ダイスケがキョウコに対して別れを告げる場面では、浮いたような台詞が自然とかっこ良く聞こえてきたような気がします。(^^;
ここらへんのカッコつけの美学はそれなりに成功していて、雰囲気や映像・音楽ですっかりと酔わされてしまいました。あのクサさがたまらん。
†ウホッ!クレアもいい男に…
前半のダイスケ&ジェイを相手に連戦連敗していた時と比べると、クレアは見違えるようにかっこよく描かれていたのも印象的。久々に登場したマウロとの再会で、この雰囲気は…と思いきや爽やかな結末を見せたり、八人委員会のバンパイアに再任されたりと、長い空白期を経て再び元も地位へ復帰。
ノリエガもヘタレな悪役として立派な最後を遂げて場を盛り上げるなど、悪役の少ないこの作品では隠れた功労者。正体が越後だと分かった兄者に土下座をするあたりは最高でした。(^^;
†作画はいまいち
ところどころいい感じの絵もありましたけど、バラバラで安定感の無い作画は相変わらず。限られた制作費でいいものを作るためには、一点豪華主義的な予算配分をしないとならないんでしょうか…。
ラストに登場する CG で描かれたジェドの街の夜景も、単調でいまひとつ安っぽいかな。
†最終回は 27:30 からの予定
次回は最終回。兄者は、弟に倒されるのを予期して今回のクーデターの首謀者を了解したような気がしてならないですが、果たして兄弟喧嘩の結末は…?
ただでさえ戦争報道で放送時間が心配なのに、話によると来週は特番で+++27:30から(http://www.tbs.co.jp/tv/20030325.html)の放送と信じられないスケジュール。来週も確保を目指したいところ。
脚本: 浅川美也, 絵コンテ・演出: 山崎たかし
†「あの娘はこの世の者にあらず」
四話構成と言うことで起承転結で綺麗にまとまっているなぁ。三話目となった今回の話では、縁切り寺の和尚の口から、縁切り山で起きた過去の事件が語られて、りん子の正体が明らかにされてました。
話のパターンは同じでネタ的にもありがちな印象を毎回のように抱きつつも、構成や語り口の上手さで、話に引き込まれてしまいのがこの作品の持ち味。ここぞと言う場面の見せ方も相変わらず丁寧で、普段は馬鹿な糞餓鬼と言った風情の一路が真剣に悩む事でいっそう話を引き締めると言う見せ方が今回も効果的です。
伏線も綺麗にまとまってきました。りん子がませたガキだったのもそういう理由があったのか…。単にかないみかが演じていたからだと思ってました。
それにしても遊廓に10歳の童女を買いに来た客って。(^^;
脚本: 金春智子, 絵コンテ・演出: 島崎奈々子
†やまない雨はない。
アバンタイトルなどで何度か見せてくれた、幼い頃の兄弟の約束を描いたセピア色の回想シーンが心地良いです。そして現在〜あの頃と同じ写真を抱きながらひたすら雨に打たれるシロボンの対比と相変わらず上手いなぁ。
喜怒哀楽の激しいシロボンのキャラを立てる金田朋子さんの演技も素晴らしく、中にちよちゃんが入っているのでは…と思ったのも今は昔。
果たして MAX はマイティなのか? と言う話の軸の方は次回に持ち越されるなど、物語的なカタルシスは無かったですが、バーディとムジョーの密会を、通俗ハードボイルド風の見せ方で楽しませてくれるなどスキの無い作りでした。
脚本: 前川淳, 絵コンテ: 小寺勝之, 演出: 中山岳洋
今回はアニメ独自の設定があれこれと語られて、ゲーム版世界との差異を際立たせていました。
ののみはゲームとは違ってPBE 起動のために改造された人間で副作用により8歳のまま成長が止まっていること。あと幻獣は人間の恐れや憎しみに反応して攻撃すると言うこと。芝村家は血縁関係の無い一族と言う設定も削られたようで、舞は父親を憎むなどかなり設定が変わっていました。
…まぁそんなことはどーでもよくて、個人的には芝村的と言うかちょっとエキセントリックな振舞が素敵だった舞が、ちょっと不器用な生き方をしている普通の女の子として描かれているのが残念です。(同じ事を前も書いた気がしますが)
今回は舞と速水の脱出行が話のメインで、負傷したことによりいつも以上に弱気な言動を見せる舞には意表を突かれました。前々回の壬生屋の時と同様に、今回の舞を引き立たせるためにはもう少し彼女の普段の性格を描いて欲しかったんですが、ここらへんは1クール作品の宿命かな…。
あとは、舞が HWD パイロットに志願した理由が明かされてました。舞の部屋に飾られていた写真の人物が説明されるなど少しずつ内面が語られて、ゲーム版の舞とは違った魅力を見せつつあります。
重苦しい展開が延々と続いた事もあり、ゴムボートで脱出後、マスクを取ってかすかに笑顔を浮かべて、「速水…ありがとう。」と告げる舞が実に素敵でした。すべてはこの一カットのために。
あと突撃軍歌「ガンパレードマーチ」自体は、アニメでは登場するのでしょうか? 今回の速水がつぶやいていた詠唱がその代わりに使われたりするのは嫌だなぁ。(^^;
脚本: 高山文彦, 絵コンテ: 山本秀世, 演出: 中澤純一郎
†レナ、磔にされ、絶叫して悶絶!!
ラス前と言うことでネタバラシが中心。既にストーリーには興味を失っているので、せっかく謎を説明していてもさっぱり頭に入ってこないです。
作画自体は良好なんですが、いつも以上に顔のアップの多いカットは、小さいキャプ画像では見立てがいいですが、作品として延々と見せられるとちと暑苦しい印象。この手のカット割りは、.hack//SIGN でも多かった。
脚本: 西園悟, 絵コンテ・演出: 守岡博
†落ち込んだりするけど、わたすは元気です
魔法の効果に疑問を抱くと言う魔法少女もの定番の展開と言うこともあり、特に破綻は無かったです。ユメの認証試験は、担当指導員の小山田先生に魔法を遣うと言うものだったり、前回の老婆やサッカー高校生は今回も姿を見せてくれなかったりと、最終回に向けて順調に伏線が張られているようで…。
一方で作中で何度か言及され、「ついに明かされる小山田の過去!」(公式サイトのみどころより)と煽られて期待していた彼の過去の忌まわしき記憶は、ドライブ中に恋人が交通事故と言うあまりに捻りの無いものでがっくり。
そんなこんなで超魔法の登場しない話は普通につまらないなぁと…と思いきや、ユメが雨の街をさ迷う終盤の展開で、濡れTシャツ!、そして瀕死の野良猫を介抱と言う自分の魂に揺さぶりをかける凶悪な攻撃が続いたので評価は急騰、ストップ高。
最初からこのノリで作っていた方が良かった気もします。(^^;
†「いつもベストを尽くしているから、その後の事は考えない」
うむ、確かにそういうキャラでした…。
ちょっと面白い見せ方をすれば人気が出そうなキャラなのに、今回も冴えないです。あれだけ盛り上げていた井上との恋愛譚が全く語られないのは、彼女が淡白なだけなのか?
脚本: 山田典枝, 絵コンテ・演出: 中山勝一
とうとうやっちまったか…。ただしここまでやってくれるとかえって壮快。(^^;
ロジャーがふっきれて、「そうだとしても私が私である事に変わりは無い」と開き直ってくれた事でストレス無く見ることが出来ました。
40年前に起きたカタストロフィーにより、世界はそれ以前の記憶を失ってしまったと言う強引すぎる設定を合理的に見せるにはこの展開もやむ無しなのかな…。
†整理するために粗筋を列挙してみる
冒頭、ロジャーが車で踏みつけるビラは、「創造神、ベヘモス、リヴァイアス」の描かれたシュバルツのまいたビラで、それを乗り越えようとするロジャーの気持ちを表したもの?
上空から神の雷がパラダイムシティに降り注ぐ中で、アレックスの駆るビッグファウが出撃して軍警察を従えて未知なる敵と交戦を開始。
†かってシュバルツの見た真実
天空に向かって飛び続けるビッグデュオ。かって世界の真実を知ってしまったシュバルツの見た光景が再び繰り返される。パラダイムシティ上空の虚飾の空の彼方には、なんと巨大な舞台の照明装置がずらりと並んでいた。
†舞台劇にて
一方でエンジェルの発見したセットの中で、ヴェラ、実は生きていたゴードン、さらに飛び入りのロジャーの四人により世界の謎が説明される。
ゴードンと元老院議員たちもまた40年前に起こった何かにより記憶を失われてしまった事。そのために遺伝子の中にあると思わえるメモリーを甦らせるために、作ったのが人工栽培のトマト(=遺伝子操作による人工生命体?)たち。アレックス、ヴェラなどもゴードンの息子。
ただしその子供たちは、40年前の事を思い出せてもそれ以前の事を思い出せなかった。
エンジェル同様にヴェラの記憶も偽のものだった。実験の失敗作として街から捨てられた人々が作った国だとと彼女が信じていたユニオンは、単にそういう設定が用意されていただけで、この劇中劇の中で実体としてあるわけではないことが示唆される。
驚いた事にロジャーとエンジェルの二人はゴードンの作った子供ではなかった。エンジェルの天使の羽の傷跡はどうやらホンモノのようで、彼女こそメモリーそのものとゴードンが確信する。
そしてロジャーは、若い頃のゴードンがこの世界の創造神と交渉するために依頼したネゴシエイターで、写真の中のロジャーは、数十年前にもかかわらず今と変わらぬ容姿。
「交渉を続けてくれたまえ、ネゴシエイター」と再びゴードンから依頼されたことで最後の交渉に乗り出すロジャー。最終回は全く予想できないです。(^^;
脚本: 小中千昭, ストーリーボード: 甚目喜一, 演出: 佐藤育郎
†予定調和
とうとうやってきたフルムーン最後のコンサート。準備するスタッフ、集う友人たちと久々のオールキャストで懐かしいキャラたちがぞろぞろと勢ぞろい。
ただし内容的にはこれと言って驚くような展開は見られず、アクシデントですら予定調和なもので、綺麗にまとまってますが印象としてはありきたり。もう少し心を締めつけるような展開が欲しいところ。
思えば、病院の屋上がクライマックスだったかな…。
タクトに問い詰められていずみはめろこへの気持ちを明かしてくれますが、どうも理解しにくく、中盤から長々とタクトにちょっかいを出して足を引っ張っていた理由が、未だによく分からないです。
†「実は意外と繊細で…」
フルムーンのコンサートには円も登場。…まぁ前座ですけどね。
彼女の出番が多かったのでこれで満足するとします。ただし歌うはエターナルスノーと、結局持ち歌はこれだけなのね…。歌い手を主人公にしたアニメ作品はあれこれありますが、どれも作中で使われる曲が少ないのが残念。
脚本: 吉村元希, 絵コンテ: 小島たみこ, 演出: 鈴木芳成
なんてこったい…崩壊寸前とも言えそうなワースト更新の凄まじい作画を見せられて茫然。演出的な良さも見られず、前半のアクションパートはさっぱりでした。
本題の「最後の授業」が描かれた後半では、卒業証書を一人一人に言葉をかけながら手渡すような金八先生なんかでおなじみの場面が描かれて突然感動モードに。
ここらへんはそれなりに盛り上がったかな。
ただし1クールのアニメと言うことで必然的にキャラ描写やエピソードの積み重ねが薄く、表面的な記号キャラとしてしか描かれていなかったので感動も形式的。
脚本: 吉岡たかを, 絵コンテ: 森邦宏・西村純二, 演出: 鎌田祐輔
偶然にこっちも最後の授業。
ナチュラルすぎる演技の声優陣、捻りの無いストーリーと、たまに見るとうんざりさせられるこの作品ですが、今回は良好な作画にも支えられて、見違える程に素敵な萌えアニメに仕上がってました。
その原因はゲストキャラのクロト先生(CV: 日高のり子)。
普段は天然風味のお姉さんキャラなんだけど、実は名だたる戦士と言う二面性はありがちなんですが、前半の先生としての姿が丁寧に描かれていたのに加えて、青・白・黄と言う原色中心のコスチュームと蛍光グリーンの髪がアニメ好きの心を直撃。
パッと見た感じの第一印象はアダルトえここ。(^^;
脚本: 志茂文彦, 絵コンテ: 江上潔, 演出: おゆなむ
傑作! 出来のいい OAV を見ているような充実の一話でした。
シリアスとコメディのエピソードが交互に展開させることで話の起伏を強調させるなど、下手に描くと単なる最終回へのつなぎみたいなエピソードを緊迫感たっぷりの充実した話に仕上げていました。最終回に向けてめちゃくちゃ面白くなってきたよ〜。
†「決まっているでしょ、宇宙に行くのよ。こうなったら歩いてでも行ってやる」
前回の話で、煙草の男(査問官)が美風たちを宇宙に運ぶための友人機を用意してくれるという展開になり、線を越える大切な"儀式"も結局は大人の用意したレールに乗っかるだけになってしまうのは何か物足りない…と思っていたら、つくばから種子島宇宙センターまで美風と静羽の波瀾万丈の旅が用意されていて、これだけ苦労させてくやれ文句は無いです。
前回に続いて「資格マニア」静羽の設定が生かされたし、美風の方もお色気作戦など見せ場も充実。(^^;
†「私もお手伝いします。絶対完成させましょうね。私達の夢のために」
アバンタイトルで描かれていたのは、若かりし頃の佐古さんと、コメットブラスターの宙美春司令。ストラトスゼロに賭ける佐古の思いが強烈に動機付けられてましたけど、果たしてあと一話で彼の野望は達成できるんでしょうか?
何気に今回は美春さんの見せ場が多くて、シャワーシーンに加えて「佐古先輩」と言う初々しい呼びかけがいい感じ。
サブタイトルの ENGAGE も、敵機との交戦に突入と言う意味と、彼女の婚約指輪のダブルミーイングかな。
†脇役たちの活躍も充実してました。
主役はもちろんのこと、今回は脇役たちに味のある言動が多かった今回の話。
夢に向かって突き進む若者たちと、それを見守る大人たちと言う構図がはっきりしているこの作品で、藤谷教官の「俺が如月でもやっぱり止めるな。それが大人の仕事だからさ」と言うセリフは、当然若いなら思いにまかせてやっちまえ!と言う本心の現れのような気がするのは考えすぎか。
あとは冒頭の迎撃任務直後に疲労困憊の彩雲と対称的に、けろりとした顔で本職の副司令の任務をこなす如月教官もいい感じでした。
脚本: 高山カツヒコ, 絵コンテ: なかたゆきひろ, 演出: 高山功
†繰り返す悪夢
最終回と言うことで、前向きなテーマをかぶせてなんとか取り繕っていたものの、前番組の東京アンダーグラウンドに続く中途半端な終わり方にひたすら無力感。萌えキャラ的には粒揃いなんだけど、それを見せるための物語がひたすら弱く、何やら思わせぶりな背景設定がさっぱり生かされないと言うのも相変わらずで、良くも悪くもこれがガンガンのカラーなんでしょうか…。
番組当初から気になっていた、ブレードチルドレンの謎、ハンターの行動理由、そして主人公の兄、清隆の安否など何もかも説明されないまま(もしかしたら見逃したのか?)終わらせてしまう脚本は凄すぎる。知りたきゃ漫画読めってこと?
脚本: 高橋ナツコ, 絵コンテ: 葛谷直行・金子信吾, 演出: 浅見松雄・金子信吾
†「この街が好きだからさ」
この作品もついに最終回。クーデターの黒幕である兄者と決着をつけるために単身セントラルラタワーに乗り込むダイスケ。そのダイスケを支援するために彼の仲間たちが一人一人見せ場を作りながら助けていくと言う王道な展開にゾクゾクさせられました。
「若い頃を思い出しますよ、お坊っちゃま」と弾帯をたすきがけにして軽機をふりまわしていたマウロが熱かった! 銃撃戦の最中でも料理を作り続ける屋台のアンチャンは、フライパンで銃弾を弾き返すし、前回のアバンタイトルで思わせぶりに登場したギアは、RPG の吟遊詩人のように戦闘中に一人ギターを弾いて熱唱する謎的行動と、脇役の使い方が上手かった。
さらに無惨にも死んでいった人間の記憶が、残された人間の中でしっかりと生きているのを描くなど、故人にも配慮しているのも良さげでした。
良きライバルが不足していてギャグキャラになってしまったジェイですが、最終回と言うこともあり自分と互角の性能を持った量産型のジェイを相手に大立ち回りと、こっちも久々に満足しました。拳による肉弾戦は赤根監督の美学なんだろうか。
†「殺すのは兄貴の中の怒りさ」
そして壮大な兄弟喧嘩もクライマックス。
ただし兄者の野望とダイスケとの確執、コントロールされたジェイをダイスケが正常に戻す場面と言った重要な部分があわただしく語られるなど、詰め込みすぎたのが災いして個々のシーンが薄くなったのに加えて、シュンのキャラクターも深みが与えられなかったような気がします。
ここでも兄弟で拳を交えながら語り合ったりと赤根監督の美学が炸裂して、背中の傷でシュンが改心するあたりは短いなりの説得力。(^^;
久々に熱く見ることが出来た近未来 SF アクションものと言うこともあり、萌えアニメだけじゃなくてこの手の作品も期待していいかな。赤根監督も評価アップです。
脚本: 大野木寛, 絵コンテ: 赤根和樹, 演出: 田中 孝行
†かたくりの花言葉は「初恋」らしい
前回は、石仏を背負ったまま崖から落下と言う絶体絶命のピンチのまま引いていたわけだけど、あっさりと助かってしまうあたりはちと不満。
それ以降は、一路とりん子の淡い恋愛譚を軸に、互いの母子愛をからめて描くなど手堅い話作りでまずまずの内容でした。
あと感動のラストシーンの後に賑やかな花田家の食卓が登場するのは毎度の事ですが、最終回くらいは余韻が後に残るような締め方の方が良かったような気がします。
…なんて強く思うのも長く心に焼き付けておきたかった作品なわけで。(^^;;;
脚本: 金春智子, 絵コンテ・演出: 小島正幸
全員で力を合わせて MAX と戦うジェッターズと言う王道の展開。バーディーの「俺に構わず撃て!」と言うおなじみの見せ場もしっかりと盛り上がってました。
ラーメン屋でのシャウトとDr.アインの人生のペーソスを感じさせる会話が個人的に好きなシーンでした。15話のシロボンとボン婆さんとの会話を彷彿させるものがあり、相変わらずこの手のしっとりとしたシーンの見せ方は上手いし説得力あるなぁ。
やや失速感を感じるあっさりした終わり方には物足りなさを感じたものの、ED の後に評価は一転。相変わらず期待を裏切らない作りです。
脚本: 前川淳, 絵コンテ: 小寺勝之, 演出: 上坪亮樹
く〜っ、ラブコメの教科書みたいな小っ恥ずかしいノリの連発に、畳の上をゴロゴロと転がりたい気分。シビアな戦争ものと言う側面があまり語られないのが物足りなかったりもしますが、学園ラブコメ中心の展開は自分の望んでいたものなので大満足!
†「そんなことだから、目が離せん」
今回はアニメ版・芝村舞の魅力が炸裂。体操服ブルマのサンバイザーと言う外面はともかく内面の方も素敵でした。
生真面目で自分にも他人にも厳しい面を持ちながらも、何かあるとやきもちを焼いて不機嫌になると言う実に分かりやすい性格で、ゲーム版以上にラブコメ向けに最適化されてるなぁ。(^^;
†「好きですっ!」
またカットされたと思われていたゲーム版レギュラーキャラの新井木勇美が、尚敬高校の新入生として大々的に登場してくれたのも評価アップ。この調子で萌の登場を期待したいところ
公式サイトのがんぱれーど日誌では、最終回の12話にゲストの怪演があると示唆されてますけど果たして?
脚本: 水上清資, 絵コンテ: 木村真一郎, 演出: 筑紫大介
ちっ、ED の後に展開された後日談が無ければ「伝説の最終回」だったのに。(^^;
長台詞による説明が延々と続くので、シンプルなストーリーの割には具体的に何をやっているのか分かりにくかったのが辛いところ。
全体を通してみると、ロリぷに系のミレイユちゃん、ケモノ娘の鳳花、そして褐色ロリの妹キャラのレナと萌えキャラ的には粒揃いだったのに、後半に用意されていたシリアスなストーリーが、しょせんゲームの中のお話と言うようにしか感じられなかったのが、今ひとつ作品に熱中できなかった理由かな…。
.hack//SIGN の面白さは、プレイヤー≠キャラクターと言う図式で、物語を通してモニター越しの存在であるプレイヤーの素顔が垣間見えてくるところだったと言うことを再認識した次第。
脚本: 西園悟, 絵コンテ・演出: 澤井幸次
†「この街はねロジャー、40年前の記憶が無い街として創造された舞台なんだ」
初めてメタフィクション的なオチ(*1)を考えた人は天才だ。唐突な夢オチで作品に終止符を打つ手法も最初に登場した時は見る人をあっと驚かせるアイデアだったのかも知れない。
で、この作品だけど、自分自身はメタフィクション的な世界観は好みとは言え、ラーゼフォン(東京ジュピター)、プリンセスチュチュ(現実とお話がごっちゃになった世界)、そして THE ビッグオーの SECOND SEASON と立て続けに続くとさすがに食傷気味。全て小中氏が脚本にからんでいるんだよね…。
今回も内容に関しては分からない部分が多かったりするわけだけど、この設定だといくらでも説明づけられるのであんまり考える気になれなかったり…。
まぁ 2nd ではあまり報われなかったドロシーがラバースーツならぬタイトなウエットスーツで登場と見せ場は作ってくれたので良しとしますか。
†ビッグオーとビッグファウの対決は熱かった!
戦いの方は古典的なロボットプロレスの持つ面白さで、最後の戦いにふさわしい見応えのある内容でした。ロボットアニメの華であるロケットパンチそして必殺技の応酬と、納得の出来。
さらにダストンの己の正義に基づいた行動、そして彼に忠誠を尽くす軍警察と言ったあたりの展開も盛り上がりを見せ、悪の独裁者を倒して街は一応の平和を取り戻すと言う"幼稚な"オチであったとしても、ロジャーをスタイリッシュに描ければ十分満足できる作品だったと思う。
†CAST IN THE NAME OF GOD, YE NOT GUILTY
某所にあった書き込みで、cast は鋳造すると言う意味の他に配役を割り振るのダブルミーニングと言う話があって素直に納得。
脚本: 小中千昭, ストーリーボード: 甚目喜一, 演出: 佐藤育郎
†大団円
このところ綺麗に盛り上がる最終回に出会えずにうんざりしていただけに、久々に満足いく終わり方を見せてくれた作品でした。満月が死ななきゃ盛り上がらんだろうと言う思いも、話の焦点を満月からタクトとめろこの運命に移し、予想を裏切る展開をあれこれと見せてくれた事で上手い具合に帳消しされたと思います。
ラストは若菜の「会いたかったにょ」、満月の絶叫、めろこ昇天と、最後の一カットまで楽しませてくれて久々に心洗われた気分になれました。
†自己犠牲の美学
この手の内容はご都合主義の上に押しつけがましい感動ものになりがちなんですが、絵と音楽による巧みな演出でオブラートに包むように見せてくれたので素直に納得できる内容でした。
いずみが最後の最後で満月をサポートして、美味しいところを持っていくのは予想外。しかしこの人の目的は何なのか最後までわけわからん。パートナーのジョナサンはさらにわからん。
幸せになった人が多い中で、不幸を背負ったのがマネージャの大重さん。高須を社長と呼んでいたのも、フルムーン引退&失踪の全ての責任を取らされたからなんでしょうね。まぁすぐに就職は出来たようだし、永久就職もゲットできそうなのでそう悪くはないか…。
シリーズ前半でめろこをわがままで自己中心的な女性として描いていた事もあり、シリーズ後半の彼女の成長ぶりには著しいものを感じました。そして今回はまさかまさかの天使へのクラスチェンジ。Kanon の天野美汐みたいなショートの髪型が実に良かった。(^^;
成長と言えば満月の声優を担当した myco さんの成長も鮮やかなものがあり、初期の頃の素人演技からは想像出来ない程です。この手の企画としては珍しく成功したんじゃないでしょうか。
脚本: 中瀬理香, 絵コンテ・演出: 加藤敏幸
パンツアニメ。パンツフェチには満足できる内容かもしれませんが、自分としてはパンチラを見ると気まずさの方が優先してしまうだけに、パンツもろ見せのシーンが延々と続く今回の内容は見ていて辛いものがありました。
りなもさんの+++萌えアニメの黄昏は魂なきパンチラと共にではないですが、どうせやるならメリハリをつけて、これはと言うカットに全力を注いで欲しかった。
最終決戦は、あかほりさとる節全開のお約束の連続で、ここらへんに手慣れたところがあるのが売れっ子作家たる結縁なんでしょう。もう少し動いてくれて、露出度を抑え気味ならそれなりに感動できたと思います。
脚本: あかほりさとる, 絵コンテ: 鈴木行, 演出: 高島大輔
今期最大の収穫だったこの作品もついに最終回。毀誉褒貶の激しかった前話同様に今回も評価の分かれそうな展開で、表面的には B級お色気アクション。深層は甘口な青春讃歌のようなジュブナイルSFと言うあたりが、シリアスな航空機ものやパイロット養成学校ものを望んでいた人には物足りなかったのかな…。
†「作戦は中止だ。直ちにコースより離脱せよ」
個人的には大満足の出来。前半のオービタルステーションを奪回するあたりはサクサクと進み多少物足りない部分もありましたけど、今回の目玉であるコメットブラスターとなった美風たち四人が巨大彗星を迎撃するシーンには感無量と言ったところ。
何度目かの彗星迎撃だと言うのにだれた印象は無く、任務の困難さを見せる演出やそれっぽい臨場感など、手に汗握る展開を堪能しました。これだけでも全て許す。
以前の彗星迎撃で見せた美風の無鉄砲さは今回の行動を支える伏線になっていたのね。
†「我々の責任は結果を見守る事です」
ジュブナイルSF作品的な面白さでは、前回に続いて大人と若者たちの対比がより強調されて描かれて、組織に縛られたりしがらみなどで思い切った行動が取れない大人たちとは対象的に、無茶を承知で自分の信じた道を突き進む若者たちと言うおなじみの構図が良かった。結果は大人がとってやるから若い人は思い切ってガンガンやれ! まぁ現実の地位のある大人は責任転嫁能力が高かったり、若者は無気力が蔓延していたりしてますが。(^^;
ただしエンディングは、ストラトス"フォー"に乗って宇宙に旅立つ四人、そしてそれを見守る大人たち…とテーマらしきものにそってますが、やや不完全燃焼なのは否めず。
†…「完全無視」かい。
宇宙猫だとか、あれこれ想像していたテイトクだけど結局今回も何もやらず、思わせぶりに登場していたこれまでの行動は何だったんだろうか?
あと煙草の男は香鈴のパパさんだったのね。今回の香鈴はお色気担当、さらにシリアスな場面でもとぼけた感じが出ていたりと四人の中では一番キャラが立っていたかな。
サブキャラも含めて、下地島基地のアットホームな雰囲気が気に入っていただけに、またいつか出会いたい作品です。ただし電撃大王で連載終了の漫画版はちょっと…。(^^;
脚本: 高山カツヒコ, 絵コンテ: 増井壮一, 演出: 山田弘和
†「ぜってぇ、ぜってぇ、船木先生を幸せにしてやるっ!」
船木先生(CV: 立野香菜子)がおっとり系のお姉さんキャラとしていい感じ。他のキャラも含めて目の表情が生き生きしているのがこの作品の魅力の一つ。そう出番のあるキャラとは思えないですが、この人を追いかけるだけでも見る価値はあるかも。(^^;
ナベシン演出と言うこともあり、なつみのコミカルな腰使いなど独特の動きも面白いです。
脚本: 岡田麿里, 絵コンテ: 西村純二, 演出: ワタナベシンイチ
†「え〜〜〜っ」
1年ちょい続いたこの作品も今回が最後。最終回とはとても思えないような中途半端な終わり方は予想していた通りとは言えがっくり。
いつぞやのロールちゃんの神がかった作画(8話だったかな?)に魅了されて見続ける事となったこの作品だけど、作画の点でも物語の点でもあの頃がピークだったようで、後半のパロディ路線もほとんど記憶に無いです。
今回はアニメ版あずまんが大王のように女性キャラの胸のラインがやたらと強調された作画で眼福、眼福。それ以外は…。
脚本: 荒木憲一, 絵コンテ・演出: 阿部雅司